中国恒大集団エバーグランデEvergrandeデフォルトはいつ?恒大ショックの米国株への影響は?

中国恒大集団Evergrandeデフォルトはいつ?恒大ショックの米国株への影響は?

ついに米国株の9月の本格調整が始まりました。これはテーパーリング(米金融当局による債金購入量縮小)観測のせいではありません。

恒大集団Evergrandeデフォルトリスク懸念により、米国株は全面安となっています。

S&P500関連インデックスも窓を開けて下げる始末。

恒大ショックの影響と、いつまで?を考えてみました。

恒大ショック(エバーグランデEvergrandeショック)=デフォルトはいつから?

恒大集団(エバーグランデEvergrande)は現在33兆円(中国GDPの2%)の負債があります。

リフィニティブによると、まず23日に米ドル債と人民元債の利払い日が到来する。利払い額は米ドル債が8353万ドル(約92億円)、人民元債が2億3200万元(約39億円)だ。デフォルト(債務不履行)まで30日の猶予がある債券もあるという。その後も利払いを控えており、年内の社債の利払い額は、米ドル債が計6億3110万ドル(約694億円)、人民元債が計3億5380万元(約60億円)となっている。元本は22年1月30日に米ドル債3億ドルの満期が到来する。

日経新聞 9.19

つまり、直近は2021年9月23日にデフォルトが起こる可能性が懸念されています。もし、ここで約束した利払いが滞ると、30日の猶予期間を経てデフォルト認定となります。この間、あれ?本当に?とか、市場の動揺が起こりながらどんどん株価が下げていくことが予想され、そのブラックデーが仮にこの日を過ぎたとしても、年末12月28日まで続きます。年末の金額も非常に大きいため今年を乗り切れるかは不明です。

負債の内訳は、買掛金9629億元、借入金5717億元です。ですので、取引先である鉄鋼とか、工事会社とかがもろに影響を食らいます。もちろん貸付金が返ってこなければ、米国銀行でも保有が多い米ドル債(195億ドル)など債券で影響をうけます。

恒大集団(エバーグランデEvergrande)で影響をうける米国銘柄

恒大集団(エバーグランデEvergrande)の事態に対して、共産党メディアが発信している内容では、国からの救済は入れない模様です。

そのため、大筋のシナリオは、債権者同意の上で債務カットに動く流れとなるため、貸し付けていた人たちはまるまる赤字を被る形になります。

恒大集団(エバーグランデEvergrande)の株価は過去14カ月で約90%下落し、ドル建て社債は額面の3─4割で推移しています。つまり、この社債を持っていると紙切れになりうるということです。

では、この社債を持っている企業はというと、アシュモアグループで4億ドル(約440億円)続き、ブラックロック、UBSグループ、HSBCホールディングスとなっています。

恒大集団(エバーグランデEvergrande)で影響をうける米国銘柄
bloombergより

つまり、銀行業の利益はかなり圧縮されます。ちなみに、アシュモアは依存度が高いので死亡かも知れませんが、各銀行にとってのこの額がどの程度影響するかというと、ブラックロックの去年の営業利益は56億ドルなので、4億ドル減ったところで10%程度の影響度です。

この程度ではさすがにブラックロックが潰れるとは思えません。しかし、株価への影響はかなりあるでしょう。

恒大集団(エバーグランデEvergrande)以外の影響は?

恒大集団(エバーグランデEvergrande)の影響が不動産セクターだけで終わったとしても、実は中国経済の4分の1の規模があります。

すでに恒大集団(エバーグランデEvergrande)以外の不動産会社にも信用リスク低下が起こり出しています。

恒大集団(エバーグランデEvergrande) が現金化を急ぐと自社物件を投げ売りします。そして、他社も投げ売りしだすと、不動産価格の全体の価格が下がるという現象が起こります。

(ちなみに調査を追加した結果わかったことは・・)すでに昨年から今年にかけて手持ち不動産を3~5割の値引きで投げ売りしているようで、それでもキャッシュが作れなかったんですね。一部地方政府は不動産バブルが急激に弾けることをおそれて、販売代理店に対して不動産の過剰な値引きを禁止する行政指導を行ったようです。そのため、一部都市では、15%以上値引きして不動産を売ることができなって、窮地に陥ったというわけです。

この信用不安の低下、ミンスキーモーメントというやつが起こると、リーマンショック級の信用崩壊により全体の価格が引っ張られて全体の不動産資産が安くなるはずです。

そうすると、その資産を持っている人たちの経済は当然回らず、建築関係の経済もストップ、地域経済も下がるという流れがでてきますね。また、不動産を抵当にしてビジネスをしている人たちは貸しはがしに合うケースも増えるため、資金繰り悪化し、何ら関係のないビジネスも影響をくらいます。そして、新規の住宅ローンの融資が通らなくなり、各種の融資基準も厳しくなるため、資金が経済を回らなくなります。つまり、不況への突入です。

最も影響を受けやすいのは、不動産、建築、鉄鉱、石炭、銅などの工業セクターとなります。当然、中国で稼ぎを増やしてきた海外企業も大きな影響をうけます。

そして、中国のそれら企業との取引がある会社の株は売られます。

ただし恒大集団(エバーグランデEvergrande)の影響を受けるのは米国では限定、一時的という見方が大半です。

少なくとも、損した人は現金化して資産を守ろうとする向きは多いでしょうから、売り優勢にはなることは間違いないとは思います。

恒大集団(エバーグランデEvergrande)の影響はいつまで?

株のアノマリーだけで言えば、11月に買い出動となると思います。

ただし、恒大集団(エバーグランデEvergrande)の問題が長期化してしまうと、長期のマイナストレンドになってしまう可能性も万が一ですがありえます。

10-11月までキャッシュポジションを厚めにして、インデックスと、この環境に関連しない強い銘柄を積み増ししていくか、一旦静観するのも策だと思われます。

GABURO
GABURO

株式投資家は少なからずこの影響をうけます。

こういう時は焦らずキャッシュに変えるか、

ホールドを確信してじっくり買い場を狙っていきましょう。

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