ゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】をご存知ですか?2021年6月30日にIPO上場した製造業の開発者、エンジニア向けのユニークなサービスを提供するデラウェアの会社です。
あなたがもし、製造業の開発、エンジニア、調達関連のお仕事をしているなら必見です!
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お元気ですか?GABUROです!
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日々米国株をリサーチしています!
この記事を読んで頂ければ、ゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】についての理解が深まり、今後のあなたの投資銘柄の一つに加えられかも知れません。ぜひご参考にして下さい。
ゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】は何の会社か
ゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】のビジネス
ゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】は、製造業のカスタム部品マーケットプレイスを提供する会社です。日本のミスミとも違う、カスタム部材の見積り発注をよりわかりやすく、リーズナブルで、かつ素早くするシステムに特化したマーケットメーカーです。アマゾンでもない、メルカリでもない、独自のシステムを提供し、ユーザーをつなげることで対価をもらうビジネスです。
製造業でのかゆいところに手が届くミスミは日本の製造業にとって最強ですよね。送料無料で、1点から明日着で部材を届けてくれる。でも、ゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】のビジネスは違います。
ミスミのmeviyに似ていますが、決して2番煎じのビジネスではありません。
ゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】の優位性は?
ゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】では、カスタム部品の見積が簡単
ゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】の特徴は、過去の膨大なデータを元に、AIで即座にカスタム部材の見積を返せる点がユニークなポイントです。
これまでの製造業のお困りごとは、1点からカスタム部品の見積を依頼するのは、工数ばかりかかって儲からないので、業者から嫌がられ、断られがちだったんですよね。ですから、エンジニアはたった一つの部品の見積依頼から、発注まで数多くの工数と日数をかけていました。
しかし、ゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】では、製品設計者とエンジニアが製造側の品質やキャパなどに即アクセスできるようにする、独自ソフトウェアプラットフォームを作成し提供しています。
このため、製造業の開発者は、即座に納期と見積の提示を受けることができるんですね。
ちょっと視点をずらすと、よく言われるfintechは、finaceに対するtechnology(AI)活用の意味ですが、この会社の提供する価値は、アナログ指向の強い製造業におけるボトルネック部分を、AIとソフトウェアのテクノロジーで解決策を提案できることと言えます。
ゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】のプラットフォームにより、顧客は即時価格、リードタイム予想、および製造できる可能性についてのフィードバックを受け取ることができます。
結論、メールのやり取りなし!ボタンを押すだけで、ゾーメトリーネットワークは低価格で素早いリードタイムで高品質の部品を提供することができているんですね。
ゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】で量産部品は安く早く購入
ミスミと似ているのですが、エンドミル(ドリルの先端)など量産部品はそのままカートに入れて購入が可能です。118000のツールが購入可能となりますが、製品ラインナップは、ドリルエンドや、素材となる鋼板など、切削加工品に寄せている印象です。
恐らくですが、ネジ、ボルトなどの製品群よりも高単価でサブスク的な製品群を扱いたかったのでしょう。今後はもっと高い製品群を扱いだすかもしれませんが、現状はニッチで高単価品狙う戦略はいいと思います。
ゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】のマーケットカバー率が高く早い
ゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】は、業界で最大の製造パートナーネットワークを構築するために、2018年にオンデマンド製造分野のもう1つのリーダーであるMakeTimeを買収しています。
また、ゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】は2019年にもヨーロッパ最大のCNC製造ネットワークであるShiftを買収。パートナーネットワークは現在、世界中に広がっていて、顧客リスト入手のための時間を、M&Aの力(言ってみればお金で)解決し、マーケットカバー率を高めています。
この手法が板についているので、これからも同じようにマーケットカバー率を上げていくでしょう。
仕入れと販売の仕入れ部分になる、ベンダーパートナーに対しては、誰もが無料でこのサービスに出品できる点もメリットです。そもそも、これらのカスタム製造を請け負うような会社は、基本的に中小企業です。技術はあっても販路がない。その空白地帯を受ける価値を届けているわけですね。
おまけに、AIが勝手にベンダーリストに合う仕事を見積発注できるような仕組み化も行っています。
彼らの見積りサービスには、 CNC加工、 板金加工、 直接金属レーザー焼結 (DMLS)、 選択的レーザー焼結 (SLS)、 溶融堆積モデリング (FDM)、 HPマルチジェットフュージョン、 PolyJet 3D、 ダイカスト、 バインダージェット、 ウレタン、および 射出成形品まで含まれます。
ゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】のサービスを一流企業が使って満足している。
上記がビジネスのハイライトですが、フォーチュン500にのってる企業ともビジネスできているんだよ!ってアピールしていますね。下記が一例です。
「Xometryはプロ意識と使いやすさを提供します。彼らはフルフィルメントの面倒を見るので、私はサプライヤーをジャグリングしたり管理したりする必要はありません。見積もりを購入し、残りはXometryが処理します。」
ライアン・ランバートBMWのツーリングデザインエンジニア -Xometryより-
「Xometryは常に私たちが必要としているものを正確に提供してくれました。適切な場所に適切な仕上がりで、時間通りに穴の開いた部品を受け取りました。彼らのユーザーフレンドリーなウェブサイトは、より速いターンアラウンドを意味します。」
ジャクソンシウリードメカニカルエンジニア、アサイロン -Xometryより-
ゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】は中小企業の資金繰りを応援し受注確度を高める
中小企業にとって、大口顧客との取引は夢です。しかしながら、ビジネスチャンスに飛び乗れない事態が発生します。それは何か?
そう、資金繰りです。
技術はある、製造法もわかる、納期も守れる。だけど、運転資金がない。この理由から、中小企業は大きなビジネスを取り逃してしまいます。1オーダー10~200万円くらいの取引が多いのに、1000万円の取引に手上げできるでしょうか?
すぐに銀行に電話して、融資予約して、担当者にこの案件を説明して、内諾を得るのに急いでも2週間。さて、案件に取り組もうとした瞬間にビジネスは他社に取られている。これは往々にしてありえるシチュエーションです。
だから、大きな企業の商売は、大きな企業しか受けれないというのは過去から相場が決まっているんですね。でも、この課題、ゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】がサポートしているんです。
それは何かというと、AdvanceCardとFastPayを提供することで、中小企業の資金繰りの問題をクリアさせるんです。
簡単にいうと、ゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】に登録すると、AdvanceCard(ゾーメトリーカード)というものを送ってもらえるのですが、受注したら、受注金額の30%を前金として振り込んでくれるサービスがあるんです。そして、この資金をどうしているかというと、発注元から受け取るので、資金的なリスクは0です。ベンダーに先に横流しして挙げて、その後対価をもらうビジネスですね。
ベンダー側に取って30%の前金は大きく、1000万円なら300万円です。これで材料は買えますよね?普通の商売だったら、ほとんどが加工賃(人件費)であり、3割の資金があれば受注から納品まで耐えられるでしょう。
このFastPayのサービスが中小企業の参画を後押しし、参加者の40%がこのサービスを利用しているんです。まあ、当然ですよね。
*個人的には、このカード発行の仕組みはマルケタなんかの仕組みを採用しているのでは?と思ったりしています。同じ6月にIPO公開したマルケタについては下記でまとめています。ドアダッシュや、スクエアが採用しているイケてる会社です。
このマルケタのサービスを利用している会社
ゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】の株価チャート、推移などが知りたい。
ゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】の株価チャート、推移は下記の通りです。(以下データはゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】発表資料より。)
ゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】の株価チャート、推移(日足)
ゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】の株価チャート、推移(日足)を示しています。
ゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】の株価は44ドルで公開されましたが、68ドルでオープンし、87.39ドルでクローズ。初日はオファー価格から99%も上昇しました。
かなり市場が注目したことがうかがえます。そして、まだロック期間が180日あるので、売りがかさんでいるわけではないのですが、一旦市場は落ち着きを取り戻し、底値57ドル付近を付けたあと、現在70ドル付近まで戻しています。(7月時点の記事)
このチャートは非常に強いチャート形状をしていると個人的に見ていて、今後の1回目の決算で黒字を出せるかが肝ですが、現状でも明らかに投資家の注目が集まっていることがわかります。
ゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】のPER・PBR推移
ゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】はIPO銘柄なので、通常の情報サイトではPER・PBRを公開していません。このような場合、とにかく過去の売上と利益率の推移を確認するのがセオリーです。
ゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】業績推移、決算発表結果、財務諸表が知りたい。
ゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】の本決算業績推移
ゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】の本決算業績推移を示しています。
売上が2倍に伸びていて、明るい兆しはありますが、現状、当期利益は出ていません。過去、2社もM&Aで買ってきているので、当たり前といえば当たり前かもしれません。ただし、本来はM&Aを繰り返しても、営業利益は増えるはずなのですが、現状はその兆候が見えていません。
売上と、利益の両方は追えないので、売上を上げることにフォーカスした経営と言えます。
過去7年間の売上推移ですが、ちょうど上場直前の2年前くらいから指数関数的に売り上げを伸ばしてきています。この成長が続けばいいのですが、この成長に合わせて本来は営業利益がのびてほしいところです。ただし、この営業利益の伸びがまだ見えていません。次に、営業利益がのびた決算が出たら、ゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】の株価はぐんと上がるはずです。
ゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】のキャッシュフロー推移
ゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】のキャッシュフロー推移を示しています。
営業キャッシュフローが若干上向きということだけが理解できます。
ゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】の決算日や配当日、配当が知りたい。
12月末が会計年度。配当ももちろんかなり長い間無しとなるでしょうね。
ゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】の今後の方向性が知りたい。
スマート製造市場の拡大
米国(アメリカ)のスマート製造の市場は、2021年から2028年まで年率12.4%で拡大すると予想されています。つまり、普通にやれば12%の売上成長は当たり前です。ですので、彼らの売上が100%であっても、この市場の創造側ですので、驚くことはない印象です。
このまま売り上げを伸ばせるかが肝ですね。収益の95%以上が米国のバイヤーから生み出されており、現状は、買収によりヨーロッパと、アジアにフットプリントを伸ばしています。ここでの収益向上は彼らの収益を飛躍させるでしょう。
競合の存在
Stratasys (NASDAQ:SSYS)
3Dシステム(NYSE:DDD)
すでに注目されているStratasys(3Dプリンティングの雄)が競合となる点で、結構なリスクではありますが、使う素材が若干違い、ゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】は金属加工に強みを持っているがやはり被る部分はある印象です。
どちらが市場が大きいか、カタイかというと難しく、自動車部品に高性能樹脂などが沢山採用されていることもあり、ちょっと明確な予想が立てにくいです。
とはいえ、メカトロの基本は金属加工。間違いなく伸びるビジネスです。
課題はビジネスモデル(マネタイズ)とブランド戦略
営業利益が出せない会社は最後には潰れます。現状、ゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】の課題はキャッシュポイントを作れるビジネスモデルになり切れていない点にあります。この課題はとても大きく、深刻です。
今後は、amazonなどがそうしてきたように、十分な顧客をつかんでブランド価値を醸成してから参加料を徴収する仕組み、利用料のUP、自社製品の製造などがキャッシュポイント拡大の王道になるはずですが、今後こうするという明確な解が見えていません。
また、ブランド力について、Digital Engineeringによると、製造専門家の間で3D製造サービスのプロバイダーとしてのゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】のブランド認知度は、2018(12)%から2020(26)%の間に2倍以上になっています。
ですので、今はまだ、走りの会社という印象しかないでしょう。このブランド力の醸成は課題になります。
ゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】のバリュエ―ション
赤字企業なので、PERも、ROEもマイナスになるので、バリュエーションの理解に役立たないです。
彼らの持つ成長性と、素早い黒字化、ROEの上昇に期待するしかありません。
GABUROはゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】に注目しています。
ただし、すでに競合はいる市場への参画なので、利益率がどれだけ高く出せるかが肝です。もし買い進めるなら、未来への期待、青田買いしか方法はありません。
(投資はご自身の判断で慎重に!)
さて、まとめです。
今回のゾーメトリー(ゾメトリー)Xometry【XMTR】については以上となります。
ちなみに、他に伸びる銘柄をお探しですか?GABUROのとっておきの企業選定手法を下記で解説もしています。参考にしてください。
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